三国志にちなんだ漢文を教えて下さい。
私は書道を嗜んでおりますが、自分の字で三国志にちなんだ名文をTシャツにプリントしてオリジナルTシャツを作成しております。
そこで、三国志にちなんだ漢文の名文を教えて下さい。
例えば呉書周瑜伝にある周瑜が劉備を称した言葉で、「恐蛟龍得雲雨,終非池中物也(蛟龍、雲雨を得ば、ついに池中の物に非ざらん)」とか、色々と作成したいと考えております。
他にも関羽の「美髯公」とか、呂布の「人中有呂布 馬中有赤兎」とか、それぞれの人物にちなんだ漢文を自身の字でTシャツにプリントしたいと思っております。
格好いい文を教えて頂きたくご教示頂きたくお願い致します。
出師表の全文とかあまり字数が多くなるような文はちょっと無理があるので、簡単な20字程度までの文をお願い致します。
裏を取るために出典箇所までご教示いただけると助かります。
そういう事でしたら、端的なものをいくつかご紹介しましょう。
「子龍一身都是胆也」
子龍は一身都(すべ)て是(こ)れ胆なり。
蜀書趙雲伝注より。漢中争奪戦の際、曹操側の大軍に遭遇した趙雲が陣営の門を開き旗を伏せ計略があると見せかけて勝利した話を聞いて劉備が賞賛した言葉です。
「文章経国之大業 不朽之盛事」
文章は経国の大業にして、不朽の盛事なり。
『典論』論文より。著者である曹丕の文学に懸ける思いを端的に示した一文ですね。
「君才十倍曹丕」
君の才は曹丕に十倍す。
蜀書諸葛亮伝より。劉備が臨終の際に諸葛亮に託した遺言の一節ですね。この後も長々と続きますが(劉禅が助けられるようなら補佐してくれ。無理そうなら君が代わって帝位に…)、長いので最初の六文字だけ(笑)。
「勿以悪小而為之 勿以善小而不為」
悪の小なるを以て之(これ)を為すこと勿(なか)れ、善の小なるを以て為さざること勿れ。
蜀書先主伝注より。劉備が劉禅ら息子達に託した遺言の一節です。
「天無二日 土無二王」
天に二日(=ふたつの太陽)無く、土(=大地)に二王無し。
蜀書トウ[登β]芝伝より。孫権が「魏を滅ぼしたら呉蜀で天下を分けて治めよう」と提案した際の返答です。魏を滅ぼした後には我らも雌雄を決するべき、というトウ芝の決然とした宣言。
「悠悠哉 黄河也 我其不反乎」
悠々たるかな黄河よ。我其(そ)れ反(かえ)らざらんか。
魏書袁紹伝注より。袁紹への諫言を聞き入れられないまま官渡に従軍することになった沮授が、黄河を見てポツリと漏らした言葉。敗戦を覚悟し、もう生きては帰れないのかと嘆いています。
とりあえずこんなところでいかがでしょうか?
袁紹。「多端寡要、好謀無決」魏書郭嘉伝。
郭嘉が袁紹を評していったことば。色々やってはみるが要点が少ない。はかりごとを好むが決断しない。
これが袁紹の全象ではないのですが、的確な表現ではあります。
現在私が質問している関係でもうひとつあげてみます。
李厳が兵糧が送れずにした言い訳「軍糧饒足、何以便歸?」→兵糧は足りているのに、何で帰ってきたのだろうか?
さらに帝に言うには、「軍偽退,欲以誘賊與戰」→偽りの撤退で族を誘引する作戦です。
二つを並べて李厳Tシャツにしてみれば大変支離滅裂となります。
例えば曹操は本人の作った詩から取るのはいかがでしょうか。
「対酒当歌人生幾何」「月明星稀烏鵲南飛」(『短歌行』)
「烈士暮年壮心不已」(『歩出夏門行』)なんかいいと思います。
諸葛亮は後世の詩人が詠んだ
「出師未捷身先死 長使英雄涙滿襟」(杜甫『蜀相』)
などはどうでしょう。
「非復呉下阿蒙」(復た呉下の阿蒙に非ず。「呉書・呂蒙伝」注「江表伝」より)はいかがでしょう。お分かりでしょうが、「阿蒙」は呂蒙のことで、「もう蒙ちゃん呼ばわり(つまり子ども扱い)してはいかんな」という意味です。
中華書局の『三国志』(原文・五巻本)を買い、その中から探してみることをお勧めします。
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